第255球「回すべきは」(2006.9.19)

 小さい頃から打撃は「腰の回転で打て」と指導されてきたように記憶している。確かに自分でスイングしてみると、何となく腰を中心に回転しているような感覚があったので、それは一つの既成事実になっていた。自分の中のスイングチェックの項目には入ってはいないのだが・・・。

 しかしよくよく調べてみると、打撃の際に回していたのは「腰」ではなかったことが判明した。ある意味新鮮な驚きだった。回していたのは実は「股関節」だったのだ。股関節を回転させることで、スイングというのは行われていたのだ。やはり打撃は下半身が大事であることが改めて分かったのだった。

 とすると、打撃力向上のためには、股関節を鍛えなければならないのはアタリマエなことで、なおかつ股関節の柔軟性も保たねばなるまい。今まで股関節のストレッチはやっていたものの、股関節の強化について実行したことはなかったように思う。日頃のプレーの中で結果的に股関節の強化が図られたことはあったかもしれないが、そこを意識して鍛えた記憶は正直ない。

 トレーニングするときにはただ闇雲に鍛えるのではなく、どこを鍛えているのか、どう鍛えているのかを意識して取り組まないと、その効果は最大限もたらされない。それが自分がアタリマエのように思っていた既成概念を打ち破られてしまう代物なのであれば尚更だ。当然のことながらこれは鍛えることが目的なのではなく、強くボールを叩き、強い打球を飛ばすことにある。打てる時はそれが自然と出来ていた(力が伝わっていた)のだろうが、それを意識することで、もう一つ上の打撃技術を手に入れたいなぁ、と思う。こうやって自分を深化させていくことも、野球人にとっては必要なのではなかろうか。自分の常識が覆されて驚きながら、その新しい常識を貪欲に取り込むこと。まだまだ今年のオフはこれに取り組んでみよう、と思っている。