第253球「折を見て見直す必要性」(2006.9.7)

 「選ばれるかどうかが問題なのではない。大事なのは、それを機会に今一度自分達の町を見つめなおすことだ。」。東京がオリンピック開催候補地として名乗りを上げたことに対してのある関係者の一言だ。正直、東京では二回目の開催であり、他の候補地が選ばれる可能性も高いようではある。福岡と東京で争った時も思ったほど差はなく、「こんなんで開催地として選ばれるんかいねぇ」などと思ったものだ。

 折を見て見直す、というが、その折というのはなかなか訪れてこないものだ。何となく時は流れ、現状に甘んじ、そこに埋没する。より高い理想に向けて進むよりも、今の安住の地を守り続けることに腐心し、変えることさえも拒むようになる。多かれ少なかれ草野球チームにもそういう側面はあるはずだ。「折」を見つけることができないチームは・・・。

 勝ち負けにかかわらず、シーズンの中には必ずターニングポイントになるような試合が存在する。その多くはシーズンが終わってから気付くことが多いのだが、本当はそのポイントを出来るだけ早く掴み、そしてそのチャンスを逃してはいけないのだ。まさに「折」を見て見つめなおす作業だ。そして、そこでどう自分達を見つめなおすか、ここに活動の肝がある。

 一つの目安が「予選リーグ突破」を賭けた試合、そして、もう一つは「四強以降」の試合になるのかなぁ、と思う。ここまでの苦労に報いるため、そして秋の夕日と共に訪れるであろう大一番への切符を手に入れるため。本当の勝負どころ。大事なのは、その前に今一度自分達を見直すこと。だからこそ、その試合の前の週は敢えて「練習」とした。極めてオーソドックスな練習ではあったけど、我々は、そこから何かを掴む必要があったのだ。暑い中そうまでして勝ちたいのか。まさに今年のTWINSの「折」はこのタイミングにあったのだ。ふつふつと燃えてきませんでしたか?。結構打てる自分に、少しだけ自信が増しませんでしたか?。やっぱり勝ちてぇよな、と思いませんでしたか?。まだまだやれるじゃない、そう思いませんでしたか?。そういうことを再確認する必要が絶対にあるのだ。

 今年はそういう試合がまだ残っている。それは草野球チームとして幸運なことだ。そういう幸運を掴むことが、三十路超えの野球人を突き動かしているのだ。どういう試合になるかやってみなければわからない。しかし、準備は万端。あとはベストプレーを尽くして天命を待ちたい、と思う。