第251球「犠打増加中」(2006.8.21)

 TWINSの成績表を過去から現在に向けて見てみると、なかなか面白いデータが取れる。簡単なところから言うと、少しずつであるが打率は下降気味(笑)。2001年度を頂点に緩やかな下降線を辿っている。相手レベルもあるし、我々の衰えもある。そもそも元々打てるチームではない。「二割二分打線」と自嘲気味に話していたのもつかの間、もはや「二割ソコソコ⇒一割打線」が目の前の状況だ。

 そんな中で、何とかかんとか勝負に持ち込めているのは、別のアイテムを手に入れたから。それが今回の題名にもあるように犠打だ。今季すでに犠打成功数は二桁に乗っている。過去年間2〜3だったのが、である。これこそ「進化」であり、「深化」である。采配が徹底してきたこと、個々のバント経験が増したこと、強攻策が悉く裏目に出ること(笑)・・・色々要因はあると思う。が、これはチームの繋ぐ意識がいよいよ醸成されてきたことの証ではないか、と俺は思っている。

 犠打だけではないのだが、この「繋ぐ」という意識は持つか持たないかで大きな差が出てくるものである。例えば「今日の投手とはタイミングが合わない」「今日の俺は調子が悪い」そんな打者が、簡単の凡退してくるのではなく、悪いなりに凡打なりに走者を進める打撃をすれば、それが立派な攻撃になる。守っていても「この打線はしぶとい」という無言のプレッシャーをかけることになり、思わぬミスを誘うことだってある。そういう優位な状況を作っておいて、さぁ調子のいいポイントゲッターで勝負!!と持っていきたい。

 何と言っても二割打線である。そうそうチャンスは巡ってこない。やっとの思いで巡ってきたチャンスを泥臭く活かす。そういうチームに我々はなってきたのだ。それがこの数字にあわられているのだ、と思う。数字を見つめていると、色々なことが見えてくるのは本当だ。今度は打球の方向性について傾向が見えないかなぁ、と思ってみたりもする。右方向への打撃がどれだけ浸透してきたか、チームの成績に比例して増加傾向にあるのかもしれない。何が増え、何が減り、結果どうなっているのか。そういう分析をするのも大変面白いものである。