第246球「納得するんだ」(2006.5.30)

 世界のホームラン王と言えば言わずもがな、王貞治だ。通算本塁打868本は、もう破られることはないだろうな、と思う。毎年40本を20年続けたって届かないんですから。TWINS通算本塁打1本の俺が言っても、全く説得力ないんですが・・・。

 そんな王貞治も監督としてWBC優勝を飾り、本業の福岡ソフトバンクホークスでも安定した戦いぶりを見せている。今年はそうでもないかもしれないが。そんな王貞治監督でも、負けが込むと不機嫌そのものになり、「あいつが一本打っていたら」とか「あそこであんなに甘い球投げやがって」と激怒することも多いんだとか。それも翌日球場に向かう車の中での出来事である。相当根に持つタイプなのだろうか・・・。

 とはいえ、最後に球場に到着する時、必ずこう言うのだそうだ。「納得するんだ、野手だって一生懸命やっているんだ。投手だって一生懸命投げているんだ。納得するんだ。今日は勝つ!!」と。自分に言い聞かせるようにして、球場に入るのだそうだ。そうやって自らを鼓舞し、新たな気持ちで戦闘モードにはいるのだ。

 野球だけでなくどんなことでもそうだが、「負け癖」がついてしまうのは一番良くない。負け続けることと、負け癖がつくことは似ているようで全く違う。負け癖というのは、過去の栄光と、最近の不振を両方引きずってしまっていることに起因があるように思う。大事なのはその試合試合でどれだけ勝利に執着して戦ったか、そして次の試合にどれだけ準備して臨むか、だ。

 今季のTWINSは確かに負け試合が多い。早く黒星という借金を返済し、白星先行の戦績に持ち込みたいとは思う。だけどそれよりももっと大事なのは、「負け癖」を払拭して、新鮮な気持ちでグラウンドに向かうこと。これを第一に考えていきたい。負け癖から逃げ出して参加者が激減するなんて事態にだけはなりたくない。TWINSはそんなチームではない。

 今は今で納得するんだ。そしてそこから一つずつ上を向いていくんだ。

 次の試合は、勝つ!。