第245球「アドバイスは難しいが」(2006.5.10)

 「コンパクトな打撃」「転がす打撃」と「当てるだけの打撃」、「おっつける打撃」と「ドアースイング」、「思い切っていこう」と「振り回す打撃」。これは一例であるが、前者を目指した打撃をしたとして、実際は後者の打撃になってしまうことが多い。自分自身で意識してもそうなってしまいがちなのに、ベンチからそういうアドバイスを貰っていざ打席でそれを実行しようとしたら、さらにそれは困難なものだ。

 主将という立場上、「今日の相手は球が速いから、コンパクトに行こう」とか、「グラウンドが硬いから叩きつければ安打になりやすい」とか、「相手の守備陣に穴があるので、転がして行けばチャンスはある」とか、そんな指示をすることも多い。だが、逆にそれが打撃陣の足枷になっているのではないか、と感じることも多い。とはいえ、ブリブリ振り回しているうちはあまり良い結果も出ない(相手が好投手であればあるほどそれは顕著だ)わけで、この匙加減が実に難しい。

 タダでさえ貧打に泣くTWINSが一点をもぎ取るためには、どうしてもチームバッティングや相手の隙を突く打撃を求めがちだ。勝利に拘るチームカラーを捨てない限りは、それを否定することはできない。ただ、打者の特性を最大限に活かすためには、それは得策ではない。打撃を萎縮させてしまう場合もある。リラックスして最大限の打撃をしたほうがむしろいい結果が出ることもある。結局は個人個人それぞれ違うのだろう。それが打撃の個性というものだ。

 自由に打ちたい!という諸兄にはそれこそ自由に打たせたいと思う。がっ、今の打率では低すぎるぞ。もっと確率を上げてもらわないと、フリーには打たせられない。場面場面でどうしても打撃にしばりをかけることはこれからも出てきてしまうと思う。俺はそれを何としても得点に結びつけるように頭を絞りたい。そして、俺の打席でそのような状況が訪れたとしたら、何としてもそれを成功させて、チームの得点機会を演出したい。まずはそこから始めようと思う。何せ難しいアドバイスだ。まずやってみて結果を出してみてから、だ。

 俺にどんどんサインを出してくれ。どんどんアドバイスしてくれ。俺はどんどん結果を出す。その姿が俺からの究極のアドバイスだ。