第244球「スマイル」(2006.5.8)

 選手それぞれ様々な表現方法があっていいと思う。激しく檄を飛ばすタイプもいれば、黙って結果を出すタイプもいれば、一人冷静に戦況を分析するタイプもいる。その時々によってギラリと鈍い光を放つ表現者がいるチームは強い。どんな状況下においてもチームとしての機能について、ある程度の対処は可能になってくる。逆に言えばそう容易く崩れないチームなのだ。

 今年のTWINSの主力投手は「スマイル」で表現する。そのスマイルにも色々な意味があるのだが、どんな状況でも。「にっ」と笑う「スマイル」を絶やすことはない。ピンチでも不調でも守備が足を引っ張っても・・・だ。もっとも、そんな状況下では、実際内心穏やかではないんだろうが、それでもスマイルを絶やすことはない。逆に彼から「スマイル」が消えたら要注意。何らかのケアが必要になってくる。一息入れるなり、継投を考えるなり。

 個々の力では劣っても、チームとして勝負するのがTWINSの野球だ。気持ちを前面に出していくことに対しては、それにきちんと応えなければならない。それが連鎖していくことで初めて守備が「守備陣」に、打順が「打線」になるのだ。例えば「しっかり声掛け合って、守っていこう!」と言ったのに、周りからの返事が無かったり、直後の打球に対して誰が取るのか指示が無かったりしたら、それはとても空しいことだ。同じように、我々守備陣は、彼の「スマイル」に応えなければなるまい。その「スマイル」の陰に隠れるマウンドに上がる者の心意気、そして彼の想いに答えなければなるまい。

 それが投手を守り立てる守備陣だろう。そしてできる人だけでいい。できる時だけでいい。彼の「スマイル」には「スマイル」で応えてあげてほしい。いいプレーに対して、気持ちの入ったプレーに対して、そしてミスをしてもきちっと立ち直るメンタルの強さに対して・・・。表情とは心の内面から滲み出てくるものだ。俺も心がけよう、「スマイル」。