第243球「TWINSはチーム」(2006.4.25)

 巨人の快進撃を見ながらコラムのネタを思いついた。駒的に見れば明らかに昨年より小粒になりつつも、それと反比例して醸し出しているねちっこさ、粘り強さが増した巨人打線を見て、「ああ、やっぱ打線は『線』でなきゃいかんのね」と改めて痛感した。

 「昨年と比べて相手していて格段に疲れる」というのは阪神の司令塔、矢野捕手の一言だ。これを聞いても明らかなように、打線は繋がってこそ大きな力を発揮するし、たとえ一人一人が打ちまくっても、それが有機的に結びつかなければ、その威力は半減してしまうのだ。それがチーム打撃って代物だ。それができるのが、「チーム」なのだ。

 TWINSは明らかに「チーム」だ。我々はそれを目指している。繋げて繋げて一点をもぎ取り、そして凌いで凌いで僅差でもいいから勝つ、という明確な目標を持っている。チームコンセプトを持っている。打てなくてもいい、次の打者の時に少しでも球威が落ちるよう粘って球数を稼ぐとか、この試合の審判のクセを見たり、相手投手のデキを報告したり、様々な方法で「チーム」に貢献ができる。それは打率や出塁率などでは量ることのできない有形無形の働きであり、隠れたヒーローなのである。そういうところに目を向け、光を当てる。これが野球を知っている輩の視線である。こういうところを意気に感じたいし、そこを意識して打席に入りたい。

 どういう想いで前の打者が打席に入ったのか、どういう気持ちで犠牲バントを決めたのか、進塁打を放ったのか。タダで転ばぬ抵抗をしてきたのか。自分が打席に入る時にはふとそういうことに想いをめぐらせてもいい。自分の中にもう一つのアドレナリンが沸いてくるかもしれない。

 そのアドレナリンは必ず相手投手を消耗させる。相手チームに隙を生じさせる。そこに付け入ることでチャンスが生まれる。泥臭くていい、何としても勝つ。草野球ではあるけれど、TWINSはやはり「チーム」なのだ。我々はそういう野球を目指している。