第227球「時間がかかるものだ」(2005.10.17)

 チーム作りというのは、こんなにも時間がかかるものなのか。それが三年間主将を務めた俺自身の率直な感想である。例えメンバーが替わらなくても、時間というものが確実にその中身を変えていってしまう。そこから、もう一度自分達の身の丈に合ったチーム作りをするのは同じように時間がかかるものなのだ。

 勝てばチームがまとまるのは、プロ野球だけの話であり、我々のような草野球チームはそうはいかない。難しいのは負けてばかりでもこれまたチームは絶対まとまらない。この辺のさじ加減が非常に微妙なのだ。勝敗と共に、チーム作りには太い「幹」を作ること。これが本当に肝要なことなのだ。

 一口に「幹」といっても漠然としているので、もう少し詳しく書くと、まずは投打の「幹」そして参加者の「幹」、最後にチームの思想としての「幹」この三つの「幹」がチーム作りには不可欠なのだ。最初の二つの幹はほぼイコールだといっていい。毎回活動に参加し、主力として活躍する選手がどれだけいるか、決定的な仕事をする選手がどれだけいるか、だ。最後の「幹」はチームが活動することに対し、どれだけそれを見守ってくれる人がいるか、協力してくれる人がいるか、気にかけてくれる人がいるか、だ。

 柵を持たないチームであることを売りにしている我々TWINSは、「チームへの情熱」を糧にまとまるしかない。勝利への渇望感、心地よい集団、コイツらのために何とかしようというモチベーション・・・そういうものは「チームへの情熱」が生み出す副産物なのだ。他を圧倒する力が無くなった以上、我々は第三の「幹」に自分自身を奮い立たせることが必要なのだ。

 そうなるまでには途方もないくらい時間がかかる。「チームが実を結ぶ」という感覚は実は第三の「幹」がむくむくと育ってきて初めて感じるものなのかもしれない。得てして結果というものはそれにつれて上がってくるものだ。この秋悔いなく闘いたい。