第204球「全員野球とは」(2005.3.23)

 野球というスポーツは「プレッシャーの掛け合い」という側面が非常に強いスポーツだ、と俺は思っている。簡単なプレーなのに失敗をしてしまうのは、簡単なプレーに付随してくる様々な制約(プレッシャーと敢えて表記しておく)が、自分自身のプレーを容易にさせなくなってくるのだ。まぁ逆のパターンもあるので、一概には言えないのだが。例えばシートノックは上手でも、ゲームノックになるとミスが目立ち、試合になると更にミスが・・・なんて部分だ。

 だから、大事になってくるのはどうやって相手にプレッシャーをかけていくか、ということだ。単に豪打を見せ付ければいいのではない。剛速球を見せ付ければいいのではない。プレッシャーは小さいことの積み重ねによって少しずつ相手に圧し掛かっていくものなのだ。それが土壇場なり、終盤に形となって現れてくる。

 例えば全力疾走、例えばもう一歩大きいリード、例えばコーチャーズボックスからの視線・指示、例えばサインを出す様、そして最後まで諦めない魂・・・非常に小さいことだがそういうものをかき集めて相手にぶつけていかないと、勝機はなかなか見出すことはできない。打つか、守るか、というプレーそのものを論ずる以前に、だ。プレーする選手以外の選手の貢献が意外と形になってくる。今回の表題とした「全員野球」というのはそういうものなのではないか、と思っている。当然TWINSでも全員野球を目指しているのは言うまでもないことだ。

 だからこそ、我々は試合中のプレー以外の部分でもっともっと改善していくべき部分があることに気付かないといけない、と思う。より相手にプレッシャーをかけるにはどうしたらいいか。どう相手の穴を見つけ、そこをどう突くか・・・そういうことも攻撃のそして守備の一部なのである。

 ひとまずはそれを形にすべく、俺が塁に出た暁には、一歩余計にリードをして、相手投手の牽制をバリバリ受けるようにしていこうかな、と思う。それで牽制に刺されたらそれこそ目も当てられないのだが・・・。全員野球・・・追い求める理想の野球の姿の一つである。