第203球「撮る」(2005.3.8)

 試合の様子をカメラで撮影しているチームは結構多い。目的も様々だろう。試合内容を記録するためだったり、あとでスコアをつけるためだったり、反省会などで活用するためだったり・・・。後で見ながら、ああでもないこうでもないと酒の肴にしたり。いずれにせよなかなかいい試みだと思う。

 先日TWINSも恒例となったキャンプを敢行した。天気も悪くグラウンドコンディションも今ひとつだったけど、無事みっちり練習を消化してきた。今回もキャンプでは一つやろうと思っていたことが有る。それは練習模様を撮影してみよう、という試みだ。それこそキャッチボールからノック、打撃練習に至るまですべてのメニューにおいて自分達のプレーを見直してみよう、というものだ。

 これが意外と良い結果をもたらしたように思う。チーム全体でいえばなぜこの選手が打撃がいいのか、守備がうまいのか(その逆もあるのだが)、それを一つ一つのプレーから説明することができる。スイングがいい、打球に対する一歩目の反応がいい、投げ方がいい、などなど。それをチーム全員で共有できる。これは非常にいい方法だな、と感じずにいられなかった。正直全力で投げた球が、カメラ越しに見ると勢いのない球速であることもわかってしまったりして、結構凹んだことは凹んだのだが(笑)。

 基本に立ち返って練習しよう、と思った時には、基本に立ち返る材料が必要だ。気持ちや理論だけでは基本に立ち返るのは難しい。なぜなら、自分自身がいまだに基本に忠実にプレーしていると錯覚してしまいがちだからだ。それを第三者の目、客観的な目で見直すことで、初めて自分自身の中の基本に立ち返っていない部分を見出すことが可能になる。その格好の材料が「撮る」ことだったのだ。

 それにしても思い通りの動きをするのって、こんなにも難しいものなのだろうか。客観的に映されすぎて、逆に残酷にさえ思える映像もあったりするのだ。もつれる足、鈍重な動き、弱い打球、鈍いスイング。そこから一歩でも前に進めるよう、これからも可能な限りのフィットネス向上に努めていきたいものだ。