第180球「やれるのか、オイ!」(2004.9.16)

 「やればできるは魔法の合言葉」というのは済美高校校歌の有名な一節だが(?)、実際に最も大事なのは、「やるのかやらないのか」だ。俺の最も嫌う言い訳に「やろうと思えばできるんだけど・・・」とか、「やらなきゃいけないのはわかっているんだ」というのがある。簡単だ。じゃあやれよ、と。四の五の言わないでやれよ!、と。

 野球だけでなく、スポーツ全般に言えることだが、若さと勢いだけで戦える時代というのは実は短く、プラスアルファを常に意識して戦わなければならない時代のほうが圧倒的に長い。そのプラスアルファを見出そうとした時に真っ先に浮かぶのは、自分の頭の中にある意識の部分。かいつまんで言うと、「やろう」と思っていることそのものなのだ。

 ところが難しいもんで、とかく人間は自分よりも力が上の相手に負けた時になって初めて、そういうプラスアルファを意識するようになる。だから、野球で言えば負けた試合の中にそういうものは転がっている。何がいけなかったのか、何が足りなかったのか、何をすればそれを補えるのか・・・それを考え続ける。野球人は特に考え続ける。

 ここからが肝要だ。実は考えることは誰にでもできる。自分なりの理想像と今の自分、今のチームを重ね合わせればいいからだ。そこから一歩踏み出して、何をすればそこに近づけるのか実際にやってみる。ここが勝負のポイントだ。人間としてのポイントだ。現実を嘆くよりも、しっかり先を見据えて一歩踏み出す。そんな主将であることが俺の目標だ。俺がチームの一員だったら、やっぱりそういう奴に付いていきたいし。なかなか難しいことではありますが・・・。

 確かに難しいことかもしれない。けど、それができた試合は最高に愉しい。それが実感できたプレーは最高に気持ちいい。それを実感しているからこそ、また野球のことを、TWINSのことを考え続けるのである。