第178球「野球小僧」(2004.8.30)

 コラムを書いているから、というわけではないのだが、俺は活字中毒と言っていい。とにかく幅広く本や雑誌を読み漁る。そんな俺が最近必ず読んでいる雑誌がこれ、「野球小僧」だ。あの(?)白夜書房から出版されている文庫本サイズの月刊誌には、ぎっしりと野球の知識が詰め込まれている。俺でさえ、その情報量に満腹感を覚えてしまうほどだ。

 もともとは、ある野球仲間から薦められたのがきっかけだ。お前はきっと面白がるから、買って読んでみろ、と。ところが、この本は当時本屋にはなかなか売っていなかった。直接注文するか、なんだかしてやっと手に入れる代物だった。野球以外はものぐさ太郎の俺は、そういう手続き自体面倒くさがり、なかなか読み始めるまでには至らなかった。で、最近書店に顔を出し始めたので、ためしに買ってみたら、これが凄いデキで・・・という流れだ。

 野球小僧を読んでいると、野球というスポーツの裾野の広さ、そして深さに驚愕することが多い。プロ野球の世界、選手の世界の話よりも、むしろ違うカテゴリーの野球の話、例えば中学の軟式野球の世界だとか、少年野球の指導者論だとか、高校野球の戦術論だとか、そういう細かい部分にスポットを当てて、掘り下げていくその編集スタイルは、我々熱狂的草野球人のド真ん中ストレート受けあいになるだろう。一言でいうとマニアックな世界なのだろうが・・・。

 草野球に取り組む方法にも色々ある、と俺は再三このコラムで書き続けてきた。自分の生活、ペース、実力、そういったものに合わせて自分なりに取り組めばいい、と思う。でも、俺は、やはり野球というスポーツにどっぷり浸かっていきたい。正面から取り組んでいきたい。そう思う。そのためには、時間を作り、グラウンドに立ち、体を鍛え、コンディションを整え、という一連の作業に加えて、野球の知識・野球への執念も醸成していく必要がある。

 この夏TWINSの活動は少しペースを落としたものとなってしまった。公式戦が残り少なくなってしまったというのもあるが、なかなかチームの活動が軌道に乗らなかった季節でもあった。秋はまたペースアップしてどんどん動いていきたいと思っている。野球への執念が薄らいだ自分を呼び戻すために、「野球小僧」オススメです。