第169球「新しい風景」(2004.6.8)

 私事で恐縮だが、このたび転勤した。しばらくコラムの更新が滞っていたのはそのせいだ。色々と環境が変わる時には何かとパワーがいるものだ。なかなか本業(?)野球にも集中できずに結構苦労してきた。どのシーズンも必ずといっていいほどそういう時期はある。理由はなんにせよ、だ。

 こういうことを如実に感じるのは、「ここ一番の集中力」を必要とする場面だ。プレーが始まるまでは色々と起こりうる事態を想定して、どういうプレーをしようとか考えるのだが、結局プレーが始まってからは、ほぼ無心でプレーに没頭する。体が勝手に反応して気がついたらそれなりのプレーをしている。それなりのポジションに入っている。これがいわゆる集中したプレーなのだ、と自分なりに解釈している。

 これができる時、数字に直接するかどうかは別にして、野球をしていて楽しい。これができない時、今ひとつ野球を楽しめない自分が居る。ヒットを打っても、ファインプレーしても今ひとつ喜べない自分が居る。

 それを補って余りあるのが、「チームの勝利」だ。どんな形であれ「勝利」を目指して活動している我々にとって、何よりも代えがたい充実感を得ることができる、それが「勝利」だ。そもそも勝つためにここ一番では集中してプレーするわけなのだから、当たり前といえば当たり前なのだが。

 個人的にはやっとグラウンドでプレーしている時は集中して取り組める状況になってきた。諸兄も各々事情はあるだろうが、せめてグラウンドでは集中して取り組めるよう、チームとしても配慮していきたいと思うし、自分でもそういう方向に自分自身を持っていってほしいと思う。それが「勝利」の二文字につながることを信じて。TWINSで野球ができることの喜びを噛み締めて。

 次回の活動からは新しい風景で心機一転がんばるよ。