第164球「忘れられない一打」(2004.4.16)

 早いものでTWINSに本格参戦してはや6年目のシーズンを迎えようとしている。ふと気が付いたのだが、今まで積み重ねた安打数が79安打(4/16日現在)。このままうまくいくと今年中には、通算100安打を達成できるかもしれない、なんていう状況になってきた。そんなに打ったっけな、という想いもあれば、100本打つのに6年もかかるもんなんだな、という想いもある。

 年々対戦する相手チームのレベルが上がり、そう容易く安打を稼げないようになってきている。しかもチーム打撃をすることも年々増えてきて、あえて進塁打を狙う場面も増えてきている。だから、安打の数のみをもって、その打者の貢献というものは測れないようになっているのは明白だ。個人的には、自分の進塁打数の多さについては誇りに思っている部分もある。

 ただ、打撃の原点は、投手の投げる球を打ち、野手の守備を潜り抜けて、出塁することにある。ありきたりだが、一本でも多く安打を打ちたいと思うのは当然のことだ。ただ、自分の中でも記憶に残る安打とそうでない安打は、意外とはっきりと分かれる。俺の場合は、なぜかクリーンヒットよりもむしろボテボテの内野安打に印象が残ることが多い。そういう安打は、とかく苦労してやっとの思いで紡ぎだした安打だからなのだろう。調子が悪かったり、すごくいい投手が相手だったり、そういう中で転がして、必死に走ってやっと稼いだものなのだ、と。

 「もはや勝手にフルスイングできなくなった」と過去に俺はこのコラムで書いた。それはバッターボックスに入りつつも、相手はこういう打撃したら嫌がるだろうな・・ということをいつも考えるようになったから。内野外野の間に落ちるテキサスヒットや、ボテボテの内野安打は地味ではあるが、相手チームに与える「嫌な感じ」はクリーンヒットより上回るものなのだ。

 今年も印象に残る忘れられない一打を見出したいと思っている。多分それを見ている諸兄の印象とはちょっと違う視点で、ちょっとマニアックにその一打を見出すんだろうな、と思う。