第161球「強烈な違和感」(2004.3.9)

 やっぱり違和感がある。「世界に一つだけの花」という唄だ。大ヒットもしたし、みんな知っている曲だし、別にSMAPを目の仇にしているわけでもない。でもやっぱりこの曲の歌詞には俺は違和感を覚える。世間の皆様が共感を呼んでいる歌詞であるのに、だ。

 「ナンバーワンになれなくてもいい、もっともっと大切なオンリーワン」う~ん、どうなんでしょう。これを正しく解釈している人って果たしてどれだけいるのだろう。ナンバーワンになれなくてもいい、だから、この辺で妥協しておきます、なんて自分の都合よく解釈している輩って多くないか?と思う。

 俺が思うに、ナンバーワンになるほうが簡単だと思う。だって勝てばいいんだから。「勝つ」ということは、最も明快に自己の優越性を証明する基準になる。確かに勝つことは難しいかもしれない。それでも、俺達はオンリーワンなんだ、と証明することよりははるかに楽だ、と思う。それは勝つこと以外に自分達の個性や、素晴らしさを相手に伝え、そして感じ取らせる必要があるからだ。だから逆説的に言えば、オンリーワンになりたかったら、とりあえずナンバーワンを目指したら?なんて思ってしまう。

 どうやって俺達がオンリーワンなのか、を証明するか。方法は様々だ。ただ言えるのは、一つ一つのことにどれだけプライドを持って取り組む、ってこと。そのプライドがそれぞれのオンリーワンの証明なのではないだろうか。で、それは決して相手に勝つだけでは相手には伝わらない、と信じている。我々の野球に懸けるプライドがそれを伝える唯一無二の手段なのだ。だからこのHPもちゃんと運営しなければなるまい。どんな些細なことにもプライドを持って取り組んでいる人は、その時点でオンリーワンなのだ。それはナンバーワンの証明よりも、どんなに価値があるだろう。俺はそういうプライドを貪欲に感じ取れる感性がほしい。ここはできるだけ鈍りたくない。衰えたくない。

 自分の「オンリーワン」は自分で感じるものではない。相手にそれを伝え、相手がそれをどう感じるかで決まるのだ。決して自己満足にはならないはずだ。だから安易にオンリーワンを持ち出すこの歌詞に、強烈な違和感と嫌悪感を感じるのだ。

 決してSMAPが嫌なのではありません。安直に流れる人が嫌いなのです。