第110球「スポンジ」(2003.2.27)

 TWINSのメンバーの球歴を見てみると、必ずしも輝かしいものではない。少年野球程度の経験しか無い選手だっている。とはいえキャリアの有無をどうこう言っているのではない。野球に参加できるかどうか、グラウンドでプレーできるかどうか、そしてそのチームにフィットするかどうかは、あくまで今の自分自身に拠るからだ。ただし、野球というスポーツを体系的に経験的に学んだかどうかは、キャリアの有無によって大きく左右されると言っていい。もちろん正しく学んだかどうか、正しく解釈しているかという前提条件はあるのだけれども。

 更なる「進化」を目指して野球をいろいろ勉強したい、そんな声がTWINS内に聞こえてくるようになった。もっとうまく野球をするには何を伝えればいいのか、そんな声が野球経験者から聞かれるようになった。これはチームにとって「深化」のチャンスである、と考えている。

 誰しも自分の中に多かれ少なかれ「野球論」を持っているはずだ。ここに来てそれを変えろ、とは言わない。無理やり変える必要もないし、チームとしてそれを強いるつもりもない。だが、まだ自分の中の「野球論」を進化させたい、と考えている選手がいることだけはゆめゆめ忘れてはならない。野球の知識が個々のポテンシャルを上げ、チームクオリティを高めるのであれば、我々はその努力を惜しんではならない。

 とはいえ、あんまり専門的なことを求めているのではない。キャッチボールから守備・打撃、基本的なトレーニングやアフターケアなど、基礎中の基礎こそが求められている知識なのだ。「基礎中の基礎」をスポンジの如く吸収してもらえればいいと思う。あとは自分なりに消化してもらえればいいと思う。それもチーム補強の一環だ。野球を楽しくする努力だ。意外と野球経験者にも新しい発見があるかもしれない。そんな気がする。

 ということで、今年は色々と勉強していきたいと思っている。