第104球「ゲームノックの効用」(2003.1.8)

 そろそろ各草野球チームも初練習を考え出す頃ではないだろうか。我々も1月中には初練習を開催する予定で準備を進めている。寒いことは寒いのだが、日中の暖かい時間を選んで、体を動かそうと思う。正月など色々スポーツ観戦もしてきたが、やっぱり野球がやりたくなってしまうのだ。

 ひとえに練習といっても色々なものがある。キャッチボールや打撃練習から筋力トレーニングや走りこみ、ある意味肩を休めることだって練習の一環のように思える。それらを踏まえて、いよいよチームとして動き出そう、という時に、我々TWINSは必ず「ゲームノック」を実施する。これがまずチームとしての戦術の第一歩だからだ。

 内野から外野へと順番にノックを受けるシートノックとは異なり、ゲームノックはいくつか留意しなければならない点がある。それは「今何アウトなのか、今ランナーがどこにいるのか、そのためどういう守備をするのか」をノックする前に確認することだ。ポイントは「ノックする前」に確認することだ。何のために前進守備をするのか、何のために定位置で守るのか、それを学ぶには絶好の機会となる。そして、この学習が試合に生きてくるのだ。自然と守備位置を自覚し、ピンチに陥ってもどういう守備をするのがベストプレーなのかをチーム内で共有できるというのは守備側として非常に大きい武器になる。

 もう一つは、「1球に全員が反応する」ことが求められることだ。1アウト一塁で打球が三塁に飛んだとする。するとダブルプレーを取るべく二塁手は二塁ベースに走りこみ、遊撃手と左翼手は三塁手のカバー、中堅手は二塁手のカバー、右翼手は一塁手のカバーに反応しなければならない。この動きを体で覚えることが出来る。つまり全員で守るということを徹底するには、この意識と知識が必要になってくる。これを培うのがゲームノックだ。

 これを自然とこなせるようになった時、全員で1球に反応できるようになった時、いよいよ開幕を迎えられるな、という感覚になる。当然失敗もあるし、失策もなかなか減らないんだが、それでも守備のクオリティが上がってきたなという実感を得ることができる。

 開幕までにこの感覚を持てるように、みんなで頑張ろう。