第103球「初詣」(2003.1.6)

 プロ野球マスターズリーグを観てきた。昨年からいつか見に行こうと思っていたのであるが、日程の関係でなかなか実現しなかったのだが、昨日正月休みの最終日に東京ドームにて念願のナマ観戦を果たした。自分の中では今年の「初詣」のような気分であった。あの「21球」のドラマでおなじみの江夏豊がマウンドに上がった時なんざ、思わず拝んでしまった・・・。

 正月休みであることも幸いしたのだろうが、3万人を超える観客を集め、えらく盛り上がった試合だった。サービスの一環でファウルボールだけでなく、キャッチボールしていたボールなども選手はどんどんスタンドに投げ込む。そのたびに観客が群がるようにそれを奪い合っていた。また、鳴り物などの応援が一切無いため、一つ一つのプレーにスタンドがどよめく音がくっきり聞こえてくる。つまりスタンドが沸いている感覚がダイレクトに伝わってくるのだ。観客として見ていて「いいなぁ」と思わされた。

 さらに驚かされたのが、参加している選手の動きだった。球速110km〜120kmではあるものの、四球が殆どなく、試合として非常に締まっていたのだ。そして、野手のプレーが非常に基本に忠実なこと。年齢的な衰えは隠せないものの、野球の質そのものは全く落ちていないように感じた。これは野球人として見ていて「いいなぁ」と思わされた。

 「質」を落とさないためには、兎にも角にも「基本」に忠実になることである、ということを改めて教えてもらったような気がしている。そうすることで、ちゃんと「見れる」野球になっているし、また試合として非常に内容の濃いものを造ることが出来るのだ。マスターズリーグの選手名鑑を見てみれば多くの選手が50歳を超えている。我々はまだ30歳を超えたくらい。年齢を感じる前に、今一度「基本」を振り返ることが必要だ。それをこれから始まる練習にて実践していこうと思う。

 試合を見た帰りに、変に触発されて最寄りの駅から家まで走ってみた。途中で息が切れた・・・。動ける体になるにはまだまだ調整が必要なようだ。開幕までには戦える体を造っていくつもりである。今年も頑張りましょう。