第98球「記録を紐解くと」(2002.11.26)

 個人成績表を丹念に見ていくと、結構驚くべき傾向を掴むことができる。自分の成績を見てみると、今季の俺の失策数は4つ(11/25現在)だが、そのうちチャレンジマッチでの失策は3つ、公式戦では1つという内訳となっている。

 これだけ見れば「ふーん」という感じだが、実は今年のTWINSの試合数25(11/25現在)のうち、いわゆるチャレンジマッチは5試合しかなく、残り20試合は公式戦なのだ。しかもチャレンジマッチのうち一試合は欠場、もう一試合は遅刻による途中出場と実質3試合しかこなしていない。確かにチャレンジマッチでは色々試してみたりすることも多いので、一概には言えないのだが、いかに俺がチャレンジマッチでは精彩を欠いているのかがよくわかる。逆に言うと公式戦では集中して守れている、ということにもなるのだが。

 先日ある親善試合で三塁を守ることがあった。何球か打球は飛んできたのだが、その結果は最悪。暴投はするわ、なんでもないゴロを捕り損ねるわ・・・。当然失点にも結びつき使ってくれた監督さんに本当に申し訳ないことをした。一番首を傾げていたのは他ならぬ俺自身だった。なぜエラーしてしまったんだろう・・・と。エラーすることは悪いことではない。問題はそこで食い止められなかったことだ。切り替えてプレーできなかったことだ。ここが一番の反省点だ。いくら親善試合とはいえども、だ。

 振り返れば、その時の俺は明らかに集中力を欠いていた。確かにTWINSの公式戦に比べれば、肩の力を抜いてプレーすることになるのだが、それがモロに自分のプレーに影響した。つまり集中力の有無がプレーの質の決め手となるのだ。そういう意味で集中できる環境(チーム)で守ることができるというのは、野手にとって幸せなことなのかもしれない。そういう雰囲気をいかに安定して醸し出すことが出来るか、が大きなポイントになるだろう。

 簡単そうに見えて、これは意外に難しい課題であると思う。さらにややこしいのは、「エラーをしない」ということと「集中して守る」というのが必ずしもイコールでないところだ。多分大事なのは「エラーをした後」なのだろう。そして、さらに大事なのは「試合に臨む心構え」なのだろう。公式戦もチャレンジマッチも、一回戦も決勝戦も同じ気持ちで守備位置につく、という究極の目標が出来たように思う。なかなか難しいんですがね。