第90球「やりにくい相手」(2002.10.10)

 手前味噌で恐縮だが、いわゆる強豪チームと相対することとなったとしても、ある程度試合を作ることができるようになってきたなぁ、と思う。勝ち負けがそれに伴わないことももちろん多いけれども、俺の最も嫌う「自滅」負けが減ってきたのが一番の要因なのだろう。チームとしての土台が確立されつつある時期にさしかかってきたのだろう。

 最近試合をしていて「やりにくいなぁ」と思うチームのタイプが変わってきたのだ。今までは先に記したような「強豪チーム」だった。私立有名高校野球部OBや大学野球経験者がずらりと立ち並ぶようなチームだった。伝統と歴史のある選手層の厚いチームだった。「そんな選手がいる相手なのか。ぼこぼこにやられるなぁ・・・。」今は違う。「やりにくいなぁ」と感じてしまうのは「楽しく」野球をやっているチームだ。意外かもしれないが、それが正直な実感なのだ。

 一本ヒット打てば喜び、一つアウト取ればまた喜び、ミスしても気にせず、三振するならフルスイング・・・。これって実は草野球の大きな魅力であるはずなのだ。時々そういうことにはっと気づいたりする。この原点を忘れてはならないのだ、と。初心忘れるべからずなのだ、と。チーム内外問わず、野球をする「楽しさ」が伝わってくる時に俺はまたこの原点を気づくことになるのだろう。

 しかし、TWINS野球が楽しくないか、といえば決してそうではない。今のTWINSは非常にバランスが取れているいいチームだと思う。バランスが取れているいいチームだからこそ、原点を忘れてはならないのだ。

 野球をすることを楽しく思えないような時、とかくグラウンド上で冷静さを欠いていることが多い。それだけ余裕がないことの証であり、周りを見ることもできなくなってしまうことになる。そういう精神状態でいいプレーはできるわけがない。またいいプレーを見つけることもできない。厳しい試合であればあるほど、それは顕著に現れるように思う。

 ここからは正直厳しい試合の連続になるはずだ。でも俺は宣言する。結果はともあれ、俺は楽しく野球をやり通します。簡単なことです。いいプレーを見つけ、一緒に喜べばいんです。いつもの野球をすればいいんです。TWINSもそうあってほしいと思っています。