第89球「トレンド」(2002.10.4)

 どうやら草野球のトレンドは「リーグ戦」に移り変わっているらしい。リーグ戦のメリットは、何と言っても「年間を通じて参戦が可能である」ということに尽きる。一発勝負のトーナメント戦は勝てば次があるのだが、負けてしまえばその時点でおしまいとなってしまう。いきなり負けてしまったとしたら、長い草野球の残りシーズンをどうすればいいんだ・・・となってしまう。トーナメント戦の一発勝負という大きな魅力は捨てがたいところではあるが、やはり年間を通じた安定した活動というのが、チーム存続に大きな役割を果たすことになるのは間違いない。

 もう一つの魅力は、相手チームを見ながら戦うことができることだ。どこの馬の骨かもわからんチームと(逆に我々もそう思われてしまう可能性も高いのだが)クジのお陰で対戦することになるトーナメントに比べ、相手チームをより研究した上で試合に臨むというのはなかなか捨てがたい魅力がある。「あそこの四番打者は要注意だ」とか「エースは左腕で変化球が決め球だ」などなど今までの他チームとの試合結果を見ながら戦術を考えてみたりして。それで考えた打順やスタメンがずばり的中したりすると、研究のし甲斐があったというか、首脳陣冥利に尽きる。

 問題は、早くから首位争いから脱落してしまい、残りの試合が消化試合になってしまう可能性がある、ということなのだろう。消化試合になってしまうとどうしてもモチベーションが下がりがちになるのだが、そこはリーグに参加したチームの責任の下で、スケジュールをこなしていくことが肝要だろう。リーグ加盟チームを選ぶ際に最も重視されるべき必要条件だろう。

 今年我々は「ストロングリーグ」という強豪チームの揃うリーグに加盟した。運良く予選リーグは突破できたものの、実力が抜きん出ていたというわけではなく、毎試合毎試合非常に苦しい戦いだった。そんな中でちょっとだけ誇っていいのは、最終節まで全ての公式戦をこなしたということだ。これは大会主催者の力に拠るところが大きいのだろうが、最後までモチベーションを切らせないよう配慮された運営の賜物だ。こういうリーグに参加させていただき、そして勝ち抜けたことは非常に価値が大きい、と思う。

 同じ予選リーグを戦った他チームの皆様に心から感謝したい。我々は皆様からリーグ戦参加者の心意気を頂きました。野球界のエリートが集うチームでもなく、圧倒的な戦力があるチームでもありませんが、心意気だけ背負ってこれからも戦ってきます。たとえ一敗地に塗れることがあっても、その心意気だけはグラウンド内外に高らかに示してきたいと思っています。