第73球「若くはないけど」(2002.5.16)

 練習・試合を問わず、プレー中に怪我をしてしまう場面に遭遇することが、最近富みに多くなったように思える。20代後半から30代に差し掛かると、徐々に肉体的には、筋肉・関節が硬くなり、走・攻・守の野球の一瞬の動きについていけなくなるようになる。それが、突発的に、又は慢性的に怪我・故障という形になって露呈してくる。野球というスポーツをしている以上、それは避けては通れないものなのであろう。

 だが、それを可能な限り防止しよう、という努力はやはり必要だ。きちんとアップして汗をかき、動ける体を作ること。プレー中は体を冷やさないように、できるだけ体を動かしておくこと。そしてプレー後はしっかりクールダウンして体のケアを怠らないこと。そういう一つ一つの取り組みが怪我・故障を未然に防ぎ、かつそれを軽度なものにしている、と言っていい。

 肉体的に我々はもう若くない。これは悲しむべきことだが、現実だ。それを補って余りあるモチベーションがあるからこそ、こうして活動できているわけで。だからこそ、そのモチベーションに耐えうる肉体をできるだけ維持しておきたいと思うのは当然だ。そのためには面倒くさがらずにアップとクールダウンをやらなければならない。それでも怪我・故障はなくならないのだが、それはそれで仕方が無い。要は自分の出来ることを出来るだけやっておくことが何より大切だ、ということだ。

 怪我を恐れない全力プレーと、怪我を防ぐ努力によって、ファインプレーは生み出される。一瞬の動きがすべてを決める野球ならではの方程式であると言えよう。そして全力プレーを少しでも多く、長くできるように自分の体を慈しみながらシーズンを乗り切っていこう。「若くない」という悲しむべき現実を、逆に「力」に変えて頑張っていこう。そんな風に思いながら、先日30歳になりました・・・。

 あと10年は最前線で頑張るつもりです。これからもよろしく。