第59球「チャンピオンベルト」(2002.1.25)

 プロレスにせよボクシングにせよK-1にせよ「チャンピオンベルトの価値」とは、そのチャンピオンがどんな相手を倒して獲得し、そして、どんな手強い挑戦者を退けていくか、によってファンが決めるものだ、という。歴史だとか伝統だとか権威だとかいうのは二の次で、あくまで、ファンが決めるものだ、というところがなんとも面白い。個人的にはアントニオ猪木が全盛期に保持していた、NWFヘビーのベルトが好きなのですが、誰か賛同者はいませんかねぇ、諸兄。

 また、さらに言うなれば、「ベルトの重みはベルトを巻いた者にしかわからない」のだそうだ。「アイツはチャンピオンだ」というライバルからの羨望の眼差しや、「チャンピオンとしての務めを果たす」ことに対して、言いようの無いプレッシャーがかかるのだろう。そして、その重みに耐えられてこそ、なんとも言いようの無い風格を身に着けることになる。それが本物のチャンピオンだ。

 草野球の世界では、各種大会が開催されている。さしずめ優勝チームがチャンピオンなのだろう。ベルトは無いけれども、自分のHPに大々的にその事実を掲載したり、ユニフォームにレプリカを貼ってみたり、と色々な方法でPRをする。それは、それなりの相手を倒してきた、という誇りを表現したものなのだろう。単純にいいなぁ、と思う。大学時代のリーグ戦で優勝はしたけれども、それはあくまでリーグ内だけが知っていることであって、今のようにHPを通じて、何の関係もない方々にまでその事実を知らしめるというのはどんな気分なのだろうか。

 多分喜んでいるのは最初のうちだけで、また次の大会、いや次の週末の試合に向けて気持ちを切り替えていくのだろう。そういうチームでないと勝ち進むことは困難なように思える。まぁ、なってみないとわからない感覚なのだろうが。

 気楽に楽しめるのが草野球の大きな魅力であることは否定のしようがない。でも、真摯に取り組めば取り組むほど、頂点に立ちたいという想いは大きくなっていくのもまた事実だ。ベルトの重みをぜひとも体感してみたい。そして、それに耐えながら、野球人としての、草野球チームとしての風格を醸し出せるようにしていきたい。そんな風に思い続けてはや3年。今年こそ・・・