第57球「休日の重み」(2002.1.10)

 社会人になってはや幾年。ありったけの時間を享受できた学生時代とは違って、我々社会人の持てる時間というのは非常に限られてくる。しかも、仕事の進捗次第では、休日さえも仕事に奪われかねない。それだけに休日の一日が俄然重みを持ってくる。野球人はまさに「中六日」で登板する投手のような心持ちで、試合前夜を迎えるのだ。

 冒頭にも書いているとおり、俺の究極の目標は「いい休日を過ごすこと」にある。だからぶっちゃけた話、別に野球でなくてもいいのだ。充実した休日を過ごすことができれば、手段は何でも構わないのだ。でも、俺にとっては、「野球」をすることはとても楽しいので、優先順位は限りなく高い、というのも紛れもない事実なのだが。

 仲間にせよ何にせよ、価値観はある程度同じであることは、大切なことだ、と思う。様々な考え方の仲間がいるのは当たり前だし、それを理解することで相手のことをより深く知ることは重要なことだ。だが、基本的なベクトルというか、その根っこは同じ、みたいな部分がないと、それは理解しただけで終わってしまう。個人と個人の付き合いの中では、このことは非常にウェイトが高いことはよくわかる。だから、決して違う考え方を持っている人間は仲間じゃありません、っていうのではありません。しかし・・・。うまく書けないんだけど、なんとなくニュアンスはわかるでしょ?。特に野球のような団体スポーツでは、価値観を共有すること自体、その重要度たるや格段に大きいように思える。

 今季TWINSは期待の選手が何人も入団してくる。野球経験の有無だとか、実力だとか、そういうことの前に、「いい休日を過ごそう」と考えてくれる人だといいなぁ、と思っている。俺が勧誘した選手も、きっとそういう奴だと信じている。だからこそ、俺がTWINSに誘ったんだぞ。

 今年もいよいよ開幕である。練習ではあるけれども、なんだか心引き締まる思いがする。グラウンドで飲み屋でいろいろな価値観を共有しましょう。それがチームの原動力になることを信じて。チームの進む方向性は間違っていないと思っています。だから、その原動力がいい方向に進むと信じています。