第100球「ゆめゆめ忘れることなかれ」(2002.12.10)

 このHPを立ち上げる時に、自分でGMに「コラムを書きたい」と立候補して始まったこの「背番号6通信」だが、そのきっかけになったのが、かの有名な「まるドの目」を読んだことだ。「ゆめゆめ忘れることなかれ」と必ず最後に締めくくるこのコラムは、野球に対する戦術的なことから、心構えまで多岐にわたる題材を書き連ねており、それが非常に印象に残ったのだ。

 「ここまで素晴らしいコラムは書けないかもしれんけど、ちょっとずつでいいからやってみよう」そう感化され、このコラムは始まったのだ。「まるドの目」の最終章の題名は「こだわり」というものだった。「打てなくなった球を打つ、捕れなくなった球を捕る。そこにこだわれ。力の衰えを技と経験で補うのだ」という強いメッセージだった。俺も今年ついに三十代。その言葉が突き刺さる。そういうコラムを書くことが一つの目標だった。

 正直ここまで書き続けられるとは思っていなかった。いつかはネタが尽きるだろう。書くことがなくなるだろう。誰からも読まれなくなるだろう。そう思っていた。「読んでますよ」と声をかけていただくことで、どうにかここまで辿り着くことができた。ご愛顧いただいている諸兄に厚く御礼申し上げます。試合中「コラム読んでいます」と二塁ベース上で声をかけられ、喜んでいたら、あやうく牽制で刺されそうになったのも、今となってはいい思い出だ(?)。

 かの有名な三原脩監督は「銭はグラウンドに落ちている」と強烈なプロ意識を表現したことがある。であれば、俺は「コラムのネタはグラウンドに落ちている」と言いたい。来年もグラウンドでお会いしましょう。そして、いい休日を過ごしましょう。ぜひぜひ当コラムのネタを拾わせてほしいと思います。

 「まるドの目」はちょうど100章で終了している。が、「背番号6通信」はまた第101球から一歩一歩「前へ」進んでいく所存です。プレイヤーとしても、コラムニスト(?)としても「力と技と経験」のトライアングルを保ちつつ、頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。この想い、ゆめゆめ忘れることなかれ。