第20球「危機感」(2001.6.1)

 「今年だめだったら…ってマジ思ってんだよね」毎度毎度の試合後の飲み会で彼はぽつりとつぶやいた。背番号6はそんな何気ない会話を逃さなかった。彼は昨年の自分の成績に満足していないのだろう。そして現状にもまだまだ満足していないのだろう。「俺はまだまだやれる」そんな気持ちが垣間見えるひとコマである。

 あるチームと試合をした後、そのチームのHPを覗いてみると我々TWINSを評してこんな一文が書いてあった。「点差が開いても手を緩めることなく真摯に野球に取り組む姿は見習うべきところが沢山ある」。そこには「俺はきっちりとプレーしなければならない」という気持ちが垣間見える。相手にはそれが伝わったのだろう。

 最近のTWINSには今までに見られないほどの「危機感」が伝わってくるように感じている。それは試合・練習などグラウンドでの佇まいにも感じられるし、スケジュール登録・球場手配等の平日の活動にも見て取れる。参加不参加等の意思表示一つ取ってもそれは明らかだ。「未定」者が格段に減ったのである。運営する側からすれば稼動がちょっと少なくなる。試合を組む組まないという決断がしやすくなるからだ。

 とかく「危機感」はプレッシャーと名を変え、個々のプレーを萎縮させてしまいがちなものであり、ただ野球を楽しむ、という目的のためには無用の長物である。あえて、「危機感」を持とう、という心意気を俺はリスペクトするし、俺もそうありたいと考えている。

 昨年・一昨年とTWINSはタイトル奪取を目標に各種トーナメント・リーグ戦に参加して来た。が、あと一歩というところで涙を飲んでいる。戦績のコメントを見てもわかる通り「何かが足りない」のだろうと思う。その「何か」とは、俺が感じている「危機感」であるのだとしたら、今年は結果を残すチャンスなのかなぁ…と思う。

 「グラウンド」・「平日」・「意思表示」その三要素において我々が危機感を持って取り組む、そんなチームを運営できたら、これほど強力な武器はない。これらは有機的に繋がりを持っていて、必ずチーム成績にも反映される。そして俺はもっとそういう危機感を感じていきたいのだ。持っている危機感は是非外に出すべきだ、と思う。