第18球「カムバック」(2001.5.25)

 野球の世界では、一度は忘れかけられた選手が、劇的な復活を遂げることがままある。札幌円山球場でアキレス腱を断裂した巨人の吉村が、優勝を決めるサヨナラホームランを打った時なんざ、胸が熱くなったものである。「カムバック」いい言葉である。あ、知らないですか?ちょっと古いかな…。

 今は何とか休日の時間を作り、野球をすることができる状況にいる。恵まれているのだと思う。が、いつ状況が変わるかわからない。「転勤」「転職」「生活環境の変化」「怪我」など、いくらでも要素は転がっている。我らがTWINSにもそのような状況の変化で、休部を余儀なくされているメンバーが数多く存在する。彼らはカムバックできるのだろうか?

 カムバックするというのは想像以上に困難なことである。時間もかかるだろうし、そこまで頑張れるのだろうか、と思うと俺自身も自信が無い。どこかで妥協してしまうかもしれない。諦めてしまうかもしれない。今でこそ一応スタメンで出場させてもらってはいるものの、俺がTWINSに参加するようになってからの最初の一年間はしんどかった。気持ちに体はついていかないし、成績も上がらなければ試合に出るチャンスも少なく…。我慢の日々が続いていたものだ。そういう意味では俺もカムバックしてきたのだ。ブランクという空間を乗り越えることで。

 俺はなぜカムバックできたのだろうか?ふと思ってみると、俺の意思とは無関係に、TWINSという野球チームが今も昔も変わらぬマインドで存続していることが一番のポイントとなっていることに気づく。つまりカムバックできるのは、帰ってくる場所がちゃんとあるからに他ならない、ということだ。もちろん、個々人の野球に対する想いやフィットネスなども大きな要素ではあるのだと思う。が、そんなことは二の次である、と思う。それが人をカムバックに導くのではないだろうか。俺の場合ブランクを埋める原動力となったのはTWINSのマインドであったのだ。

 大々的にHPを開設し、それなりに注目を集めることもあるようになってきているだけに、ヘタな試合は打てないなぁと実際感じることも多い。それがいい意味でチーム存続の力になればいいと思う。それがマインドの維持につながればもっといい。本コラムもその一助となれば幸いである。

 俺は今のTWINSであればカムバックしてくるに値するチームであると自信を持っている。だから早く帰ってこい。カムバックしてこい。