第12球「クサさ」(2001.4.16)

  この「背番号6通信」の表紙のタタキ文を見てほしい。TWINSが「弱小チーム」で、しかも「この男(つまり私)を迎えてわずか●年で全国優勝を成し遂げる奇跡」ときた。何とも自信過剰な「この男」であるが、ヒントはその次の一文「ONE FOR ALL YOU NEED A HERO」にある。俺と同世代の方(特に明治大学の輩)ならぴんとくる方も多いかもしれない。そう、これはあの名(迷?)作「スクールウォーズ」のタタキのパクリなのである。だから、あまり本気に取られても困るのだTWINS諸兄。

 この名作は凄い。和田アキコと梅宮辰男が夫婦でラーメン屋を営んでいたり、伊藤かずえが神社の境内から白馬に乗って現われたり、不良高校生がジャポニカ学習帳で「花」の漢字練習をしたり…と枚挙に暇が無い程、見所満載(?)のドラマなのだ。一言で言えばあまりにも「クサい」ドラマなのである。俺の周り(TWINSのエース小原氏、次期大型新人色川氏を初めとして)には、このドラマのマニアが数多く存在する。実は、俺達はこの「クサさ」に共感を覚えずにはいられないのだ。だろ?小原・色川。

 最近、こういう「クサさ」は流行らない…のだと思う。まぁ、流行り廃りの問題ではないのだが。「一生懸命」とか「必死」とか…。何となく今の時代にマッチしない言葉だよな、という感じは否めない。なんとなく使うのが憚られるような…そんな感じだ。

 だが、草野球をする人々を見ていると、そんな「クサさ」が伝わってくる。童心に帰ったというか、本能のままに白球を追いかけているというか…。そんな時の野球人の顔は実にイイ顔している、俺はそう思う。少年時代から野球をプレーしつづけてきた俺ではあるが、このように感じることができるようになったのは、本当につい最近のことだ。

 つまり、それだけ今の俺は「クサさ」を感じることが少ない、ということなのだろう。もっといえば普段の俺にはない「クサさ」が野球をやっている俺にはあるということだ。これは俺だけではない。TWINS諸兄にしたって、相手チームにしたって同じことなのである。
 このHPのこのコラムを読んでいるあなたも同じ穴のムジナなのかもしれない。

 「クサさ」は個性であり魅力なのである。